小説 夢を売る男(百田尚樹) あらすじとアサキの感想 [百田尚樹]
百田尚樹さんの小説「夢を売る男」のあらすじと感想なんかを書いた記事です。
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本日ご紹介するのは、百田尚樹さんの「夢を売る男」です!
この「夢を売る男」は、2013年に単行本が…そして2015年5月1日に文庫が発売されたばかりの小説です。
それでは、早速あらすじからご紹介させていただきます!
…
丸栄社という出版会社は、池袋に立派なビルを構えている。
豪華なロビーや応接室に、訪れたものは格式の高さを感じるほどだ。
しかし、この丸栄社は、いわゆる一般的な出版社とは少し違う。
というよりも、詐欺に近いビジネスをしている。
丸栄社は、例えば新人賞を開催し、大賞作品は出版されるという名目でたくさんの原稿を集める。
そして、原稿を送ってきた作者に電話をし、丸栄社のスタッフはこう言う。
「大変惜しいところまで行きましたが、残念ながら最終選考で大賞には選ばれませんでした」
作者は、本当にあと少しで自分の本が出版されることが無かったことに落胆する。
そこに、編集社はさらに言葉を加える。
「あなたの作品が大賞に選ばれると私たちは思っていました、本当にもったいないので私たちもこの本を出版したいのです」
作者は、助けに船だとばかりに、編集者の話に惹き込まれていく。
「しかし、例外的な出版となるので、社としても相当のリスクを負うことになる。編集費、校正費、印刷費、製本費、デザイン料、宣伝費…もし本が売れなかったら弊社は大赤字になってしまう」
編集者は、一度現実の厳しさを作者に突きつけ、そしてさらに話をする。
「そこで弊社では、ジョイント・プレスというシステムをご提案させていただきたいのです」
ジョイント・システムとは、丸栄社独自の出版形態である。
その内容とは、出版費用の一部を著者に負担させるというものだ。
驚いた作者に、編集者は畳み掛ける。
「これはうちとしても賭けです。私はこの本をどうしても出版したいので、販売部を説得しました。あなたも自分の作品に賭けてみませんか」
結果、ほとんどのものが数百万もの金を差し出し、丸栄社から本が出版される。
実際に本を作るのにそこまでの費用はかからないので、丸栄社としてはその本が売れようが売れまいが、必ず儲かるシステムになっているのだ。
そんな詐欺紛いの丸栄社には、超やり手の編集者がいた。
牛河原 勘治(うしがわら かんじ)、大変ガタイのいい男は、その手腕で多くの作品を丸栄社から出版させていた。
スティーブ・ジョブズになると息巻いているニート、自身の教育論を世にしらしめたいプライドの高い主婦…
それらの人々が、牛河原の口車に乗せられ、数百万もの金を落とすのだ…
…
あらすじというより何だが舞台設定の説明みたいになっちゃいました、すいません。
ちなみに、このあらすじを自分で読みかえしたら、となんだか暗い犯罪の話に思えてきたのですが…
実際には、そんなことはありません。
あくまで、あたらしい出版社というビジネスを描いた小説なのです!
牛河原が相手を丸め込む手腕、それに感謝する著者…
そう、著者は大金をはたいて「夢を買っている」のです。
つまりは牛河原は「夢を売る男」なわけなんですね!
さらに、百田尚樹さんは本当にすごいというか、こんなんいいのか?という事まで書いていらっしゃいます。
あらすじのついでにちょっとだけそんな所をご紹介しますと…
「現代には、映像やゲームに勝てる小説なんか滅多にないんだ」
「才能は、金のあるところに集まる - 中略 - 小説の世界に入ってくるのは、一番才能の無い奴だ」
「小説詩は、文芸出版社のガンだ」
全て牛河原の言葉からの抜粋ですが…
百田尚樹さん、こんなこと言って大丈夫なんでしょうか?
ちなみに、シーンでいうとこのセリフが出てくるのは、牛河原が部下の荒木という青年に、小説というものについて語っているところです。
ページで言うとP169〜P201…なんと30ページ以上も、この小説談義に費やしているのです!
そういえば、ページの帯に書いてありました。
「一度でも本を出したいと思ったことがある人は読んではいけない!!」
あれ…読んじゃった 笑
ちなみに、単行本の帯には「百田尚樹大暴走」とかかれていたみたいです。。。
しかし、読み終わったあとの感想をお話しさせていただきますと…
すっっっっっごいおもしろかったです!
毎度感想が幼稚で大変申し訳ないのですが、本当に面白かったのだから仕方ないのです!
相変わらず作品によって作風が全く違うのですが、百田尚樹さんは何をやっても面白いものを書くのだからすごいですよね!!
しかも、それについては百田尚樹さん自身が「夢を売る男」の中でこんなことを言ってます。
「元テレビ屋の百田何某みたいに、毎回違うメニューを出すのは問題だ」
「前に食ったラーメンが美味かったからまた行ったら、カレー屋になっているような店に顧客がつくはずもない」
「しかも次に行ってみれば、たこ焼き屋になっている始末だからな- 中略 - まぁ、時期に消える作家だ」
何をおっしゃいますか、百田さん。
百田尚樹さんが作ればラーメンだろうがカレーだろうがたこ焼きだろうが、どれもめっちゃ美味しくなってます!!
もはや感想ではなくなってきたのでこの辺にしておこうと思いますが、あらすじの補足を少し…。
この「夢を売る男」は、ただ人を騙していく小説ではありません。
途中から僕も気づいたのですが、牛河原はあくまでビジネスをしているのです。
それを象徴するのが、物語後半の「ライバル会社が出現」した時の話なのですが、あくまで牛河原は価値を提供し、企業として対価を得ているのです。
僕の説明不足もありこれだけでは中々分からないかとも思いますが…
とにかく読んでください!!
百田尚樹さんの「夢を売る男」は、めちゃめちゃおすすめの一作です!!
ちなみにこの丸栄社、ちゃんとモデルがあるみたいですよ…気になる方は調べてみてください…
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本日ご紹介するのは、百田尚樹さんの「夢を売る男」です!
この「夢を売る男」は、2013年に単行本が…そして2015年5月1日に文庫が発売されたばかりの小説です。
それでは、早速あらすじからご紹介させていただきます!
…
丸栄社という出版会社は、池袋に立派なビルを構えている。
豪華なロビーや応接室に、訪れたものは格式の高さを感じるほどだ。
しかし、この丸栄社は、いわゆる一般的な出版社とは少し違う。
というよりも、詐欺に近いビジネスをしている。
丸栄社は、例えば新人賞を開催し、大賞作品は出版されるという名目でたくさんの原稿を集める。
そして、原稿を送ってきた作者に電話をし、丸栄社のスタッフはこう言う。
「大変惜しいところまで行きましたが、残念ながら最終選考で大賞には選ばれませんでした」
作者は、本当にあと少しで自分の本が出版されることが無かったことに落胆する。
そこに、編集社はさらに言葉を加える。
「あなたの作品が大賞に選ばれると私たちは思っていました、本当にもったいないので私たちもこの本を出版したいのです」
作者は、助けに船だとばかりに、編集者の話に惹き込まれていく。
「しかし、例外的な出版となるので、社としても相当のリスクを負うことになる。編集費、校正費、印刷費、製本費、デザイン料、宣伝費…もし本が売れなかったら弊社は大赤字になってしまう」
編集者は、一度現実の厳しさを作者に突きつけ、そしてさらに話をする。
「そこで弊社では、ジョイント・プレスというシステムをご提案させていただきたいのです」
ジョイント・システムとは、丸栄社独自の出版形態である。
その内容とは、出版費用の一部を著者に負担させるというものだ。
驚いた作者に、編集者は畳み掛ける。
「これはうちとしても賭けです。私はこの本をどうしても出版したいので、販売部を説得しました。あなたも自分の作品に賭けてみませんか」
結果、ほとんどのものが数百万もの金を差し出し、丸栄社から本が出版される。
実際に本を作るのにそこまでの費用はかからないので、丸栄社としてはその本が売れようが売れまいが、必ず儲かるシステムになっているのだ。
そんな詐欺紛いの丸栄社には、超やり手の編集者がいた。
牛河原 勘治(うしがわら かんじ)、大変ガタイのいい男は、その手腕で多くの作品を丸栄社から出版させていた。
スティーブ・ジョブズになると息巻いているニート、自身の教育論を世にしらしめたいプライドの高い主婦…
それらの人々が、牛河原の口車に乗せられ、数百万もの金を落とすのだ…
…
あらすじというより何だが舞台設定の説明みたいになっちゃいました、すいません。
ちなみに、このあらすじを自分で読みかえしたら、となんだか暗い犯罪の話に思えてきたのですが…
実際には、そんなことはありません。
あくまで、あたらしい出版社というビジネスを描いた小説なのです!
牛河原が相手を丸め込む手腕、それに感謝する著者…
そう、著者は大金をはたいて「夢を買っている」のです。
つまりは牛河原は「夢を売る男」なわけなんですね!
さらに、百田尚樹さんは本当にすごいというか、こんなんいいのか?という事まで書いていらっしゃいます。
あらすじのついでにちょっとだけそんな所をご紹介しますと…
「現代には、映像やゲームに勝てる小説なんか滅多にないんだ」
「才能は、金のあるところに集まる - 中略 - 小説の世界に入ってくるのは、一番才能の無い奴だ」
「小説詩は、文芸出版社のガンだ」
全て牛河原の言葉からの抜粋ですが…
百田尚樹さん、こんなこと言って大丈夫なんでしょうか?
ちなみに、シーンでいうとこのセリフが出てくるのは、牛河原が部下の荒木という青年に、小説というものについて語っているところです。
ページで言うとP169〜P201…なんと30ページ以上も、この小説談義に費やしているのです!
そういえば、ページの帯に書いてありました。
「一度でも本を出したいと思ったことがある人は読んではいけない!!」
あれ…読んじゃった 笑
ちなみに、単行本の帯には「百田尚樹大暴走」とかかれていたみたいです。。。
しかし、読み終わったあとの感想をお話しさせていただきますと…
すっっっっっごいおもしろかったです!
毎度感想が幼稚で大変申し訳ないのですが、本当に面白かったのだから仕方ないのです!
相変わらず作品によって作風が全く違うのですが、百田尚樹さんは何をやっても面白いものを書くのだからすごいですよね!!
しかも、それについては百田尚樹さん自身が「夢を売る男」の中でこんなことを言ってます。
「元テレビ屋の百田何某みたいに、毎回違うメニューを出すのは問題だ」
「前に食ったラーメンが美味かったからまた行ったら、カレー屋になっているような店に顧客がつくはずもない」
「しかも次に行ってみれば、たこ焼き屋になっている始末だからな- 中略 - まぁ、時期に消える作家だ」
何をおっしゃいますか、百田さん。
百田尚樹さんが作ればラーメンだろうがカレーだろうがたこ焼きだろうが、どれもめっちゃ美味しくなってます!!
もはや感想ではなくなってきたのでこの辺にしておこうと思いますが、あらすじの補足を少し…。
この「夢を売る男」は、ただ人を騙していく小説ではありません。
途中から僕も気づいたのですが、牛河原はあくまでビジネスをしているのです。
それを象徴するのが、物語後半の「ライバル会社が出現」した時の話なのですが、あくまで牛河原は価値を提供し、企業として対価を得ているのです。
僕の説明不足もありこれだけでは中々分からないかとも思いますが…
とにかく読んでください!!
百田尚樹さんの「夢を売る男」は、めちゃめちゃおすすめの一作です!!
ちなみにこの丸栄社、ちゃんとモデルがあるみたいですよ…気になる方は調べてみてください…
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この本によれば、作者はいずれ消える作家だそうですが、とても面白かったです。
最後の一行まで読み終えて、読んでよかったと思える本でした。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
by 藍色 (2016-07-19 12:06)
藍色さん
同感です、僕も読んでよかったと思いました!
読んでる限り、そんな簡単に消えてしまう作家さんには思えませんよね!
トラックバック、ありがとうございます!
ぜひ僕もさせていただきたいんですが、いまいちトラックバックというのがなんなのか分かっていなくて…
調べてみますが、よかったら教えてもらえると嬉しいですm(__)m
アサキ
by カツオ (2016-07-25 01:57)