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小説 子どもたちは夜と遊ぶ(辻村深月)あらすじと感想:ネタバレ有 [辻村深月]

この記事は、辻村深月さんの小説「子どもたちは夜と遊ぶ」のあらすじや感想を書いた記事です。



ネタバレな部分もありますので、まだ読んでない方で「ネタバレやめて…という方は」終盤は気をつけてください。。。


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今回ご紹介する小説は、辻村深月さんの「子どもたちは夜と遊ぶ」です。






このブログでも何回かご紹介させていただいた辻村深月さんですが、今回の「子どもたちは夜と遊ぶ」はその中でも大変印象深い小説でした。



あらすじに入る前に、簡単に感想というか印象をお伝えするのであれば…



- こんなに報われない事があっていいのか… -



といった感じです。



辻村深月さんの小説は割と重めというか、その世界観に閉じ込められるような感想を持つ事が多いのですが、この「子どもたちは夜と遊ぶ」はその中でも大変閉塞的であり、そして引き込まれてしまうお話でした。



それでは、早速あらすじからご紹介させていただきます!







D大学工学部に、天才という言葉がふさわしい「木村浅葱(きむらあさぎ)」と、努力家で秀才タイプの「狐塚孝太(こづかこうた)」という学生がいた。



他大学と合同で開かれた論文コンクール…最優秀賞を受賞すればアメリカの名門「セーラ大学」に留学できるというそのコンクールは、その木村浅葱と狐塚孝太のどちらかが優勝すると思われていた。



しかしながら、結果をみれば二人とも優秀賞…最優秀賞に選ばれたのは、C大学の「i(アイ)」と匿名で名乗った人物だった。



その後数年がたち、木村浅葱と狐塚孝太がD大学の院に籍をおくなかで、事件は始まる。



最初は、高校3年生の男子生徒が失踪した事件…



受験ノイローゼによる家出ではないかという憶測もあったが、この失踪から全ての事件は始まった。



その事件を皮切りに、なんと連続殺人が始まるのだ。



その主犯格は、数年前にD大学を始め、論文コンクールに参加していた学生の間では有名だった「i」と名乗る人物…



その「i」と順番に人を殺していく「θ(シータ)」の、いわゆる殺人ゲームが始まったのだ。



浅葱と狐塚に加え、心に様々な闇を持つ登場人物…



狐塚についてくる形でD大学に入学した「月子(つきこ)」



狐塚の同居人で、D大学を卒業している「恭司(きょうじ)」



月子のゼミの友人である「真紀(まき)」や、そのゼミの教授である「秋山(あきやま)」



この小説は、連続殺人事件という狂気に満ちた軸を中心に、彼らの人生を垣間見る、そんなお話しである。







と、まぁ簡単にあらすじをご紹介するならこんな感じでしょうか?



この記事の終盤では、(ネタバレも含めて)もう少し詳しくあらすじや、それについての感想をご紹介できればと思いますので、ぜひそちらも(ネタバレでもOKだよという方は)読んでみてください!



ちなみに、前回辻村深月さんの「冷たい校舎の時は止まる」をご紹介させていただいた際、「正さん」という方がこんなコメントをくださいました。



「自分のオススメは、スロウハイツと子どもたちは夜と遊ぶ。読後の感情が真逆ですが好きですね。ただ子どもたちは夜と遊ぶはだいぶ引きずります。覚悟してください。笑」



正さん…本当にその通りでした。。。(そしてコメントいただき本当にありがとうございます)



こんなにも引きずる話しはなかなかないです…でも、本当に面白かった!!



そして、これは辻村深月さんの小説を紹介する際には毎回書いている気もしますが、この「子どもたちは夜と遊ぶ」も例外ではなく、一人一人の感情や背景がとても丁寧に描かれています。



軸のストーリーに付随して描かれる、それぞれの人物の物語…辻村深月さんが描く世界に脱帽です。



小説の世界観に浸りたい方には本当にオススメですので、ぜひまだ読んでいない方は読んでみてください!!



と、ここからは更に詳しいあらすじや感想をお伝えしていきたいと思います。



(ここから先はネタバレを挟むんで、自己責任でお読みいただければと思います)



まず、このストーリーの主軸である連続殺人についてお話ししましょう。



そう、だれもが気になる「i」と「θ」の正体です。



はっきりいってしまえば、まず「θ」に関しては「木村浅葱」なのです!!(まぁ、これはだいぶ序盤に明かされており、話しはθである木村浅葱を主軸に描かれる場面が多いのですが…)



天才の形容詞をほしいままにする木村浅葱ですが、実は彼は過去に深い闇を持ちます。



母親からの虐待、それを守ってくれた兄である「藍(あい)」との決別…



その後預けられた孤児院で受けた暴力…



そんな過去を持つ浅葱は、実は誰よりもセーラ大学への留学を望んでおり、論文コンクールも自分が最優秀賞をとるべきだと思っていました。



周りにはそんな素振りを一切見せず、しかし裏では自分より優秀な論文を発表した「i」の存在を突き止めようと必死になるんですね。



その過程で見つけた「i」が、木村浅葱の兄である「藍」だった…そういった流れで小説は進んでいきます。



「i」は「θ」である浅葱に、要約するとこんな事をいいます。



「世間に対する復讐を、殺人という形で行おう。お互いが4人ずつ殺したら、僕は君の前に現れる」



浅葱は兄に会いたい一心で、殺人ゲームに乗ってしまうのです…怖いですね。



そのゲーム中で自分自信の知り合いを手にかけてしまい、浅葱の精神はぼろぼろになっていくのですが…



さてさて、この記事を読んでくださっている方で、まだ「子どもたちは夜と遊ぶ」自体は未読の方…



これは終盤に発覚するのですが、浅葱の兄である「藍」はすでにこの世にいないのです!!



では「i」とは一体誰なのか、浅葱を狂気の世界に誘ったのは誰なのか…



さすがにそこまでのネタバレは恐縮ですので、ぜひ自身で読んでみてください!!



また、基本的にはミステリー形式なこの小説ですが、恋愛の要素も多分に含まれているのも、この「子どもたちは夜と遊ぶ」の特徴だと思います。



そこでキーになるのが、狐塚についてD大学に入学した「月子」の存在…



小説では終盤まで狐塚と月子が恋人…みたいな描かれ方をしていますが、まだ未読の方はこの辺りを注意深く見ながら読み進めていっていただく事をお勧めします。



二人の関係を表すのに「恋人」などという直接的な表現は実は一度も出てきていません。



この件についてもこれ以上具体的なネタバレはやめておきますが、その事が物語をより一層不幸な方向に向かわせてしまうことになってしまうのです…。



この小説は、これでもかという程どんどんと深い闇へと進んで行く物語ですが、その世界観に取り憑かれるとページをめくる手が止まらなくなります。



ちなみに、この辻村深月さんの「子どもたちは夜と遊ぶ」にでてくる秋山教授ですが「ぼくのメジャースプーン」という作品にも重要な役割として登場します!



私も「ぼくのメジャースプーン」は読み終わったばかりなのですが、こちらも心に残る作品でした…



また、名前は明かされなかったですが、あの子やあの人なんかも登場しており、なんだか嬉しくなりました!



さらには、「ぼくのメジャースプーン」の中で「子どもたちは夜と遊ぶ」で明かされなかった謎が明かされたりもして、辻村深月さんの世界の繋がりが見え隠れします!



近いうちにこの「ぼくのメジャースプーン」をご紹介できればと思っておりますので、ぜひそちらもお読みいただければ嬉しいです!



長くなってしまいましたが…以上、辻村深月さんの小説「子どもたちは夜と遊ぶ」のあらすじと感想のご紹介でした!!

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