小説 ロスジェネの逆襲(池井戸潤)&半沢直樹シリーズのあらすじと感想 [池井戸潤]
池井戸潤さんの小説「ロスジェネの逆襲」のあらすじと感想なんかを書いた記事です。
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本日ご紹介させていただく小説は、池井戸潤さんの「ロスジェネの逆襲」です。
この「ロスジェネの逆襲」は、2013年に「倍返しだ」というフレーズとともに日本で大ブームを巻き起こしたドラマ「半沢直樹」シリーズの続編であります。
正確には、ドラマの原作は「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」という2作であり、ドラマに関しては「オレたち花のバブル組」の最後までで終わっています。
以前「オレたちバブル入行組」のあらすじと感想を書かせていただきましたが、今読み返してみるとあまにも簡単だったので、まずはあらため前2作品のあらすじを振り返ってみたいと思います。
毎度お約束ですが、軽くネタバレなところもあるので、その辺は自己責任で読むか読まないかを決めていただければ幸いです…。
オレたちバブル入行組 あらすじ
東京第一銀行と産業中央銀行が合併したメガバンク、東京中央銀行の大阪西支店にて、半沢直樹は融資課長として職務に励んでいた。
その手腕はなかなかに凄く、部下からも信頼の厚い融資課長だった。
そんな中、大阪西支店の浅野支店長がとある案件を持ち込む。
それは、西大阪スチールという企業に5億円を融資(貸付すること)するというものだった。
かなり無理のある融資であったため、半沢は当初から乗り気ではなく、さらには強引に話をすすめる支店長ら上司に不満を覚えた。
しかし、支店長からの「すべての責任は私がとる」とまで言われ、融資課長として全力で融資にこぎつけたのだ。
この融資を取り付けたにより、西大阪支店は銀行内で最優良店舗として表彰されたのだったが…
なんと、5億円を融資した途端、西大阪スチールは倒産してしまう。
さらに、西大阪スチールは粉飾決算をしていたことが発覚、最優良店舗を獲得したことから一変、大阪西支店は窮地に追いやられる。
また、支店長ら上司は、あろうことかその全ての責任を半沢直樹一人に押し付けようとしてきたのだ。
半沢直樹が銀行内で生き残る術はただ一つ、倒産した西大阪スチールの社長であった東田を見つけ出し、5億円を取り戻すしかなくなってしまった。
それは、銀行という組織では、一度失敗すると関連子会社などに出向になってしまい、二度と銀行に戻ってこれなくなる場合がほとんどだからだ…
しかし、バンカーとしての生き残りをかけて東田の行方を追う半沢直樹は、この案件の真の問題に気づくことになってしまう…
オレたち花のバブル組 あらすじ
半沢直樹は、大阪西支店から東京中央銀行の花形である営業第二部に次長として栄転を遂げた。
そんな半沢直樹に課せられた新たな問題とは、大手融資先である伊勢島ホテルの再建だった。
伊勢島ホテルに融資した額は200億、しかし伊勢島は投資の失敗で120億の損失を出してしまったのだ。
さらに間が悪いことに、東京中央銀行に金融庁からの検査が入ることになる。
金融庁の検査において、融資した先からの回収懸念がみとめられてしまった場合、銀行は引当金という巨額の損失を被ってしまうことになってしまうのだ。
銀行の命運を左右するのは、伊勢島ホテルの問題を解決すること…すなわち伊勢島ホテルの再建を軌道にのせ、融資を回収できる見通しを金融庁に示すことだった。
頭取直々にその命を任された半沢直樹であったが、しかし問題はどんどんと大きくなっていく。
そして、とある事実が判明するのだ。
時期頭取を狙う銀行の上層部の一部と、次期社長を狙う伊勢島ホテルの専務が結託し、損失を出したてしまったことをきっかけに両名ともトップをひきずり落とそうと画策していたのだ。
私欲に走った両名は、ことごとく半沢直樹の邪魔をし、半沢直樹と伊勢島の湯浅社長はまさに四面楚歌の状態に立たされる…
しかし、半沢直樹は見事に大逆転に成功し、伊勢島ホテルの再建案を打ち出すことに成功…同時に自身が頭取になるために銀行の秩序を乱した大和田常務を追い落とすことに成功したのだ。
そんな半沢直樹は、だれもが今回の手柄で出世街道に乗ると思った。
本人もそのつもりで、頭取から呼び出された時は出世の辞令がくだるものだと思った。
しかし、予想に反して半沢直樹に言い渡されたのは、子会社である東京セントラル証券への出向だった…。
ロスジェネの逆襲 あらすじ
銀行から出向を命じられ、営業企画部長として半沢直樹が職務についていた東京セントラル証券に、大きな仕事が舞い込む。
それは「電脳雑技集団というITベンチャー企業より、同じくITベンチャーで名を馳せているライバル会社「東京スパイラル」を買収したいため、アドバイザーになって欲しいというものだった。
東京セントラル証券としては、この買収を成功させればこれまでに無い規模の大きな実績になるため、もちろんのこと仕事を引き受けたのだったが…
なんと、東京セントラル証券の親会社である東京中央銀行の証券本部が、その仕事を横取りしたのだ。
つまりは、東京セントラル証券の大きな仕事を、親会社である銀行が、その利益のために奪ったのである。
そんな馬鹿な話はないと調べていくにつれ、半沢直樹はとある問題に気付く。
それは、東京セントラル証券内部に、銀行へ情報をリークした裏切り者がいること…
さらには、東京中央銀行が仕掛けている、倫理も道徳もない買収のスキーム(計画)だった。
そんな中、東京セントラル証券のプロパー社員(銀行からの出向ではなく東京セントラル証券に入社した社員)の一人である森山が、買収されかけている東京スパイラルの瀬名社長と同級生だったことが発覚。
そんな縁もあり、半沢直樹と森山率いる東京セントラル証券は、なんと東京スパイラル側のアドバイザーとして買収を阻止することになったのだ。
当然、東京中央銀行は自分たちの計画を子会社が邪魔していることに激怒し、副頭取である三笠を初めとした面々が、買収阻止を画策した半沢直樹を追い込もうとしてきた。
親会社である東京中央銀行を相手に、半沢直樹率いる東京セントラル証券は「倍返し」なるか?!
いかがだったでしょう、ざっとではありますが池井戸潤さんの描く半沢直樹シリーズのあらすじが伝わったでしょうか?
個人的に大好きなシリーズですし、ドラマ人気が今もなお続く半沢直樹シリーズ…
個人的にですが、その中でも今回ご紹介させていただいた「ロスジェネの逆襲」は、本当におもしろかったです!!
おもしろかったという感想だけでは全然伝わらないと思うので、もう少しばかり私の感想や見解を述べさせていただきますね。
まず、今回のタイトルの中にもある「ロスジェネ」とは、ロストジェネレーション世代の略になります。
ロストジェネレーション世代とは、バブルが崩壊した後で入社した、いわゆる就職氷河期の中で苦労して社会に出た世代のことだそうです。
そもそも社会の流れは、こんな感じだと、池井戸潤さんはこの半沢直樹シリーズでおっしゃっています。
バブルの時に今の社会の基盤を作ってきた団塊世代…
その後バブル期に入社するも、バブルの崩壊とともに団塊世代の様々な後始末を押し付けられたバブル世代…
そして、バブル世代の大量雇用と崩壊のせいで就職すらままならなかっただけではなく、その後も能力がないバブル期入社の社員の下に使われるしかないロスジェネ世代…
(もちろんすべての企業や銀行がそういうわけではないと思うし、あくまでそういう社会を描いたシリーズということだと思いますが…)
今までの半沢直樹シリーズでは、半沢直樹を筆頭とした「バブル世代」と、浅野支店長や大和田常務などの「団塊世代」の対決が主でした。
しかし、今回の「ロスジェネの逆襲」では、森山や若き瀬名などの「ロスジェネ世代」に視点をあてており、個人的に同世代ということもあってすごく共感できた部分もあります。
東京中央銀行vs東京セントラル証券…
そして、バブル世代に立ち向かうロスジェネ世代…
企業買収という柱を軸に、それらの戦いが巻き起こる今作、池井戸潤さんの「ロスジェネの逆襲」は、本当に本当にページをめくる手を止められませんでした。
個人的には、半沢直樹シリーズの中で一番好きかもです!(まだ次作である銀翼のイカロスは読んでおりませんが…今から楽しみすぎます…)
学生から社会人の方、そしてドラマファンの方、皆さんにお勧めの作品です!!
以上、池井戸潤さんの小説「ロスジェネの逆襲」と、これまでの半沢直樹シリーズのあらすじと感想のご紹介でした!!
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本日ご紹介させていただく小説は、池井戸潤さんの「ロスジェネの逆襲」です。
この「ロスジェネの逆襲」は、2013年に「倍返しだ」というフレーズとともに日本で大ブームを巻き起こしたドラマ「半沢直樹」シリーズの続編であります。
正確には、ドラマの原作は「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」という2作であり、ドラマに関しては「オレたち花のバブル組」の最後までで終わっています。
以前「オレたちバブル入行組」のあらすじと感想を書かせていただきましたが、今読み返してみるとあまにも簡単だったので、まずはあらため前2作品のあらすじを振り返ってみたいと思います。
毎度お約束ですが、軽くネタバレなところもあるので、その辺は自己責任で読むか読まないかを決めていただければ幸いです…。
オレたちバブル入行組 あらすじ
東京第一銀行と産業中央銀行が合併したメガバンク、東京中央銀行の大阪西支店にて、半沢直樹は融資課長として職務に励んでいた。
その手腕はなかなかに凄く、部下からも信頼の厚い融資課長だった。
そんな中、大阪西支店の浅野支店長がとある案件を持ち込む。
それは、西大阪スチールという企業に5億円を融資(貸付すること)するというものだった。
かなり無理のある融資であったため、半沢は当初から乗り気ではなく、さらには強引に話をすすめる支店長ら上司に不満を覚えた。
しかし、支店長からの「すべての責任は私がとる」とまで言われ、融資課長として全力で融資にこぎつけたのだ。
この融資を取り付けたにより、西大阪支店は銀行内で最優良店舗として表彰されたのだったが…
なんと、5億円を融資した途端、西大阪スチールは倒産してしまう。
さらに、西大阪スチールは粉飾決算をしていたことが発覚、最優良店舗を獲得したことから一変、大阪西支店は窮地に追いやられる。
また、支店長ら上司は、あろうことかその全ての責任を半沢直樹一人に押し付けようとしてきたのだ。
半沢直樹が銀行内で生き残る術はただ一つ、倒産した西大阪スチールの社長であった東田を見つけ出し、5億円を取り戻すしかなくなってしまった。
それは、銀行という組織では、一度失敗すると関連子会社などに出向になってしまい、二度と銀行に戻ってこれなくなる場合がほとんどだからだ…
しかし、バンカーとしての生き残りをかけて東田の行方を追う半沢直樹は、この案件の真の問題に気づくことになってしまう…
オレたち花のバブル組 あらすじ
半沢直樹は、大阪西支店から東京中央銀行の花形である営業第二部に次長として栄転を遂げた。
そんな半沢直樹に課せられた新たな問題とは、大手融資先である伊勢島ホテルの再建だった。
伊勢島ホテルに融資した額は200億、しかし伊勢島は投資の失敗で120億の損失を出してしまったのだ。
さらに間が悪いことに、東京中央銀行に金融庁からの検査が入ることになる。
金融庁の検査において、融資した先からの回収懸念がみとめられてしまった場合、銀行は引当金という巨額の損失を被ってしまうことになってしまうのだ。
銀行の命運を左右するのは、伊勢島ホテルの問題を解決すること…すなわち伊勢島ホテルの再建を軌道にのせ、融資を回収できる見通しを金融庁に示すことだった。
頭取直々にその命を任された半沢直樹であったが、しかし問題はどんどんと大きくなっていく。
そして、とある事実が判明するのだ。
時期頭取を狙う銀行の上層部の一部と、次期社長を狙う伊勢島ホテルの専務が結託し、損失を出したてしまったことをきっかけに両名ともトップをひきずり落とそうと画策していたのだ。
私欲に走った両名は、ことごとく半沢直樹の邪魔をし、半沢直樹と伊勢島の湯浅社長はまさに四面楚歌の状態に立たされる…
しかし、半沢直樹は見事に大逆転に成功し、伊勢島ホテルの再建案を打ち出すことに成功…同時に自身が頭取になるために銀行の秩序を乱した大和田常務を追い落とすことに成功したのだ。
そんな半沢直樹は、だれもが今回の手柄で出世街道に乗ると思った。
本人もそのつもりで、頭取から呼び出された時は出世の辞令がくだるものだと思った。
しかし、予想に反して半沢直樹に言い渡されたのは、子会社である東京セントラル証券への出向だった…。
ロスジェネの逆襲 あらすじ
銀行から出向を命じられ、営業企画部長として半沢直樹が職務についていた東京セントラル証券に、大きな仕事が舞い込む。
それは「電脳雑技集団というITベンチャー企業より、同じくITベンチャーで名を馳せているライバル会社「東京スパイラル」を買収したいため、アドバイザーになって欲しいというものだった。
東京セントラル証券としては、この買収を成功させればこれまでに無い規模の大きな実績になるため、もちろんのこと仕事を引き受けたのだったが…
なんと、東京セントラル証券の親会社である東京中央銀行の証券本部が、その仕事を横取りしたのだ。
つまりは、東京セントラル証券の大きな仕事を、親会社である銀行が、その利益のために奪ったのである。
そんな馬鹿な話はないと調べていくにつれ、半沢直樹はとある問題に気付く。
それは、東京セントラル証券内部に、銀行へ情報をリークした裏切り者がいること…
さらには、東京中央銀行が仕掛けている、倫理も道徳もない買収のスキーム(計画)だった。
そんな中、東京セントラル証券のプロパー社員(銀行からの出向ではなく東京セントラル証券に入社した社員)の一人である森山が、買収されかけている東京スパイラルの瀬名社長と同級生だったことが発覚。
そんな縁もあり、半沢直樹と森山率いる東京セントラル証券は、なんと東京スパイラル側のアドバイザーとして買収を阻止することになったのだ。
当然、東京中央銀行は自分たちの計画を子会社が邪魔していることに激怒し、副頭取である三笠を初めとした面々が、買収阻止を画策した半沢直樹を追い込もうとしてきた。
親会社である東京中央銀行を相手に、半沢直樹率いる東京セントラル証券は「倍返し」なるか?!
いかがだったでしょう、ざっとではありますが池井戸潤さんの描く半沢直樹シリーズのあらすじが伝わったでしょうか?
個人的に大好きなシリーズですし、ドラマ人気が今もなお続く半沢直樹シリーズ…
個人的にですが、その中でも今回ご紹介させていただいた「ロスジェネの逆襲」は、本当におもしろかったです!!
おもしろかったという感想だけでは全然伝わらないと思うので、もう少しばかり私の感想や見解を述べさせていただきますね。
まず、今回のタイトルの中にもある「ロスジェネ」とは、ロストジェネレーション世代の略になります。
ロストジェネレーション世代とは、バブルが崩壊した後で入社した、いわゆる就職氷河期の中で苦労して社会に出た世代のことだそうです。
そもそも社会の流れは、こんな感じだと、池井戸潤さんはこの半沢直樹シリーズでおっしゃっています。
バブルの時に今の社会の基盤を作ってきた団塊世代…
その後バブル期に入社するも、バブルの崩壊とともに団塊世代の様々な後始末を押し付けられたバブル世代…
そして、バブル世代の大量雇用と崩壊のせいで就職すらままならなかっただけではなく、その後も能力がないバブル期入社の社員の下に使われるしかないロスジェネ世代…
(もちろんすべての企業や銀行がそういうわけではないと思うし、あくまでそういう社会を描いたシリーズということだと思いますが…)
今までの半沢直樹シリーズでは、半沢直樹を筆頭とした「バブル世代」と、浅野支店長や大和田常務などの「団塊世代」の対決が主でした。
しかし、今回の「ロスジェネの逆襲」では、森山や若き瀬名などの「ロスジェネ世代」に視点をあてており、個人的に同世代ということもあってすごく共感できた部分もあります。
東京中央銀行vs東京セントラル証券…
そして、バブル世代に立ち向かうロスジェネ世代…
企業買収という柱を軸に、それらの戦いが巻き起こる今作、池井戸潤さんの「ロスジェネの逆襲」は、本当に本当にページをめくる手を止められませんでした。
個人的には、半沢直樹シリーズの中で一番好きかもです!(まだ次作である銀翼のイカロスは読んでおりませんが…今から楽しみすぎます…)
学生から社会人の方、そしてドラマファンの方、皆さんにお勧めの作品です!!
以上、池井戸潤さんの小説「ロスジェネの逆襲」と、これまでの半沢直樹シリーズのあらすじと感想のご紹介でした!!
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